葉隠入門 三島由紀夫|読書感想 小坂航
- kosakawataru6
- 2月27日
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「葉隠入門 」三島由紀夫
「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉に象徴されるように、葉隠はしばしば野蛮な思想や禁断の書として捉えられています。
しかし、決してそのようなものではなく、葉隠の本質は、どの時代においても変わることのない「死」の存在を見つめることで、「生」が活きるという逆説的な哲学にあるのです。
西洋から学んだ「生」を中心とした哲学が行き着く先を、三島由紀夫は一早く予感していたのだと言えます。
葉隠は、ある種予言的な書として我々に問いかけているようにも感じられます。
三島由紀夫はまさに葉隠に生きた人生でした。
かつて「天孫降臨をもう一度」と唱えていたように、葉隠に生きた三島由紀夫の人生は、一つの神話として現代に生きる我々に勇気を与え続けています。
2025年は大変革の年とも言われる時だからこそ、生を前提としながら生きる現代に、反省の機会を葉隠は与えてくれているのではないでしょうか。
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