第三回 思想編 「インナーユニット(燃焼核)概念」 内なる力が自然と湧き起こる深層筋トレーニング|生命燃焼 小坂航
- kosakawataru6
- 2月22日
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第三回は 「インナーユニット(燃焼核)概念」 についてお届けします!
インナーマッスルや体幹の定義には様々な考え方がありますが、生命燃焼を軸としたトレーニングでは、日本の伝統や文化の中で育まれた「肚(はら)」を体幹として再定義しています。
さらに、「肚」に付属するインナーユニットを、生命燃焼のエネルギーを生み出す中心的な存在として捉え、これを「燃焼核」と名付けました。
燃焼核は、単なる筋肉の働きに留まらず、身体と精神をつなぐ鍵として重要な役割を果たします。
「肚」という言葉は、身体の一部を指すものではなく、感情や意志、覚悟を担う存在として日本人の生活や精神性に深く根付いてきました。
特に戦前の日本において、肚は身体の中でも最も重要な部分とされていました。武士道における「切腹文化」にその価値が象徴されています。
切腹は、生死を司る「肚」を通じて自身の覚悟を示し、武士としての名誉を守る行為でした。
この文化が示すように、「肚」は単なる身体的な部位以上の意味を持ち、生き方そのものを体現する存在だったのです。
一方、西洋の「腹」は物質的な価値観に結びつくことが多く、身体の機能面や食物の消化といった役割に焦点が当てられます。
これに対し、日本の「肚」は、精神性や人間の本質を重視してきた点で大きく異なります。
この違いは、身体観や健康観の差異にとどまらず、西洋医学と東洋医学の考え方の違いにも反映されています。
西洋医学が数値や症状の改善を主とするのに対し、東洋医学は全体の調和や自然との一体感を重んじる傾向があります。
しかし、戦後の国語改革をきっかけに、日本人の精神性を表す多くの漢字が排除される中で、「肚」もその対象となりました。
この変化により、肚が持つ象徴的な価値が薄れ、日本人の精神性や身体観が失われつつある状況が生まれました。
こうした影響は、現代の健康観やトレーニングにも色濃く反映され、目に見える「アウターマッスル」を重視する風潮が強まる結果を招いています。
今こそ、肚が持つ価値観を再認識し、その本質に立ち返ることが必要です。
生命燃焼のエネルギーは、目に見える外側の筋肉ではなく、内側から湧き起こる力にこそ宿ります。
「燃焼核」を鍛えることで、身体だけでなく、心も含めた全体的な調和を取り戻すことができるのです。
生命燃焼を軸とした健康観を築くためには、肚という概念を取り戻し、それに基づいたトレーニングを実践することが重要です。
ぜひこの機会に、生命燃焼のエネルギーを生む「インナーユニット(燃焼核)」の可能性に触れてみてください。
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